与える力と受ける力

人には、与える力と受け取る力があります。

与える力、とはどのようなものかと言いますと、例えば、困っている人を助けようと
したり、とにかく、自分の持てる力を発揮して、誰かの役に立つ、と言う事です。

おそらく、皆さんは、「与える力」はたくさん持っていらっしゃると思いますし、
そういう事をなさりたいと思っていらっしゃると感じています。

子供の頃から「与える力」は肯定されていたと思われます。
そして、与える力は「善」に分類されているのではないでしょうか?
従って、「与える力」に関しては、殆どの方が、問題なくしっかりとお持ちだと
感じています。

一方、「受け取る力」はいかがでしょうか?
他人に何かをしてもらう、と言う事に対して、OKを出しているでしょうか?
子供の頃から、ご両親に「黙って貰ってはいけない」とか、「貰ってはいけない」等と、
言われた覚えはありませんか?
或いは、人の世話になってはいけない、とかね。

与える力が善と言う意識に対して、受け取る力は悪という評価を受けている場合が
とても多いんですよね。と言う事は、必然的に、皆さんは受け取る力が弱い、と言う
事がいえると思います。

ところが、受け取る力というのは、これはとても大切なもので、例えば、私達地球上の
生物は全て、太陽の恩恵を受けています。昔の人は、それが良く解っていて、太陽に
感謝したり、自然に感謝する事を忘れていませんでした。

昨今は、自分で勝手に生きているように思っていて、基本的な感謝の気持ちが
欠如しているんですよね。
それは,取りも直さず、受け取る力が弱いと言う事です。

オ・ポンポノでも、「ありがとう」や「感謝」と言う事をとても大切にしていますよね。
感謝が大切だと言う事は、皆さんよくお分かりのことと思いますが、それが、なかなか
実践できない、と言うところでしょうか?

では、具体的にどうすればよいのかと言いますと、日常生活を良く考えてみてください。
例えば、水道をひねると、当たり前のように飲み水が出てきます。

蛇口から、水が出てくるまでの過程を考えてみてください。
誰かが、水源を見つけなければなりません。或いは、水源になるように、何かを作ら
なければなりません。

そして、その水が、飲める状態になるようにしなければなりません。
そして、水道管を引いて、あなたのお家に水が届くようにしなければなりません。

そして、日々、水質や配水状況をチェックしていなければなりません。
孤島で一人で生活する以外、他の人の世話にならずに生きる事は無理なんです。

この様に、日常の全てのものに関して、一つずつ考察してみてください。
如何に人々のお世話になりながら、生きているのかが実感できると思います。
すると、そこから出てくるのは、「感謝」しかありません。
本当に心から感謝できるようになる、と言う力が、受け取る力です。

これは、例えば、ご両親の「愛」についても言えるかも知れませんね。
あらゆるところで、「与える力と受け取る力」について、考えてみる、と言うのは、
ご自身の魂の成長にプラスになる事と考えます。